こんにちは!本の投稿ができていないShoHaru(@Kobeshima8)です。
今回はこちらの小説をご紹介します!
『蜜蜂と遠雷』恩田陸
書評家が選ぶ直木賞と読者の一人である書店店員が選ぶ本屋大賞をダブル受賞した本作。
いわゆる書評家、読者それぞれから選ばれたということが、本作の魅力を語っていると思います。
『蜜蜂と遠雷』の魅力が伝わるように感想を交えて紹介していきます。
『蜜蜂と遠雷』を読むきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
👇この記事で書いてある内容
評価
この本を読んで得られること
この本を読むのにおすすめな人
あらすじと感想
まとめ
評価
5/5(☆☆☆☆☆)
ピアノコンクールを舞台にした才能のぶつかり合い、高め合いの中から、才能とは何かを描いた作品です。
天から与えられた才能である”ギフト”をどう活かしていくのか。
音楽を題材にした作品は多くあると思いますが、本作は音楽(クラシック)を知らなくても読むのが止まらなくなります。
上下巻の長編小説の世界観に引き込まれていき、まるで作品の中で一人の聴衆としてピアノを聴いているかのような錯覚に陥ります。
読み終えた後の感想は、才能を活かすのは、その才能を持った本人であり、環境であり、人であるのだろうな、というものでした。
それでは少しネタバレしながらご紹介していきます。
得られること
・才能による差は間違いなくあるということ
・ピアノコンクールの過酷さ
おすすめな人
・高みを目指したい人
・音楽を文字で聴いてみたい人
あらすじと感想(少しネタバレ)
あらすじ
4人のピアニストが芳ヶ江国際コンクールというピアノコンクールで繰り広げる戦いです。
4人の人生とコンクールでの体験が弾いているピアノの音に反映されていきます。
ひとりひとりがコンクールを通して、探し求めていた答えを見つけ出して成長していく作品です。
風間塵(かざまじん)
ギフトを持つ16歳。圧倒的な耳の良さと人の心を揺り動かす演奏をするが、ピアノを持っていない。
栄伝亜夜(えいでんあや)
幼い頃から天才少女として将来を期待されていたが、母の死の影響で13歳の時に演奏直前で今クルールを辞退した過去を持つ。それ以来、7年ぶりとなるコンクール出場。
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
スターとなることが約束された才能と実力を兼ね備えたピアニスト。
高島明石(たかしまあかし)
音楽学校卒の28歳の楽器店に勤めるサラリーマン。妻子がおり、生活を持ったピアニストの音に自負を持つ。
一次予選から三次予選、本選。
この四人がそれぞれの想いを抱えながらピアノを叩き鳴らして戦っていきます。
感想
ひとりひとりがコンクールを通して、探し求めていた答えを見つけ出して成長していく作品です。
と書きましたが、あくまでこれは僕が読み終わったときの感想です。
読み手によっては、総括としての感想は変わるのではないでしょうか。
ここでは、『蜜蜂と遠雷』を読んで特に面白かったこと3つ感想としてご紹介します。
『蜜蜂と遠雷』の特筆すべきは音を文字で読んでいるのに、まるで聴いているかのように頭の中で音楽が鳴ることです。
とても不思議な体験でした。
文字による音の表現力、世界観、臨場感、全てが素晴らしく、聴き入ってしまいます。
これが恩田陸という小説家の力なのだと感銘を受けました。
純粋にコンクールとして誰が次のステージに立てるのか、というワクワク感とドキドキ感がありました。
一次予選から徐々に人数が減っていき、本選に残れるのは僅か6人。
これを聞いただけでも、気になりますよね。
音と音をぶつけ合うというよりは、演者が弾くピアノの音と曲の解釈が如何に心に響くのか、という点で競うことの素晴らしさと残酷さ。
一方で、ピアノの音とはこうあるべきだという概念もあり、心に響けば次のステップに進めるかというとそうでもない点がピアノコンクールの難しい点だと感じました。
また、4人の出演者だけでなく、演奏を聞いた審査員の評価の仕方や考え方が変わったいくのも密かに僕は好きでした。
4人の中で誰が主役なのか、という問いに対して答えるのは難しいです。
ただ、風間塵がストーリーの中心であることは間違いありません。
なぜなら、彼の持つギフトがあまりにも特別だからです。
登場した時から鮮烈でしたが、まだギフトは箱の中に入っているように感じました。
しかし、コンクールを通してそのギフトが箱から出てきて、自由に踊るような感覚に捉われていきます。
風間塵のギフトがポイントであることは間違いありません。
まとめ
僕が『蜜蜂と遠雷』を読んで感じたのは、人と人との繋がりを大切にして生きていかないといけないな、ということです。
僕は日本というカテゴリーの中で暮らしていますが、「僕はイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」で感じた多種多様な世界があることも意識しておくことも必要がある考えさせられます。
『蜜蜂と遠雷』を読むとギフトを持っている人を羨ましく感じるかもしれませんが、僕は逆でした。
世の中には凄い人がたくさんいるのは分かっているので、まずは自分ができることを人に対して見返りを求めずに貢献していくことが必要だと思います。
たとえギフトを持っていなかったとしても、他者に対してできることはいっぱいあると僕は信じています。
そして、それがギフトを持った人に波及し、何かが起こるのかもしれません。
ただ、これは後々でてきた感想なので、まずは『蜜蜂と遠雷』の世界に浸るのがいいと思います。
『蜜蜂と遠雷』
この世界観を体験しないのはもったいないです。是非読んでみてください。
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