こんにちは!窪美澄さんが直木賞を受賞したことを喜んでいるShoHaru(@Kobeshima8)です。
本日はこちらの小説をご紹介します!
『コンビニ人間』村田沙耶香
芥川賞受賞当時、『コンビニ人間』の著者は実際にコンビニで勤務している「コンビニ人間」であると話題になりました。
世界中で翻訳されており、芥川賞としては異例の売れ行きをみせた『コンビニ人間』。
この記事はネタバレありですが、『コンビニ人間』の魅力が伝わるように僕の感想を交えて紹介していきます。
『コンビニ人間』を読むきっかけにしてもらえたら嬉しいです。
👇この記事で書いてある内容
評価
この本を読んで得られること
この本を読むのにおすすめな人
あらすじと感想
まとめ
評価
5/5(☆☆☆☆☆)
今回も著者の作品を初めて読みましたが、芥川賞としては異例とも言える面白いストーリーとなっており、これまで芥川賞作品を読んでもよくわからず、敬遠しがちだった人も読める作品です。
「面白い」と書きましたが、内容はやっぱり芥川賞受賞作という感じではあります。
内容は、子供の頃に自分は人と違った考え方をすることに気付き、普通を装いながら生きている女性がコンビニで働くお話です。
読み終えた後の感想は、こういう人も世の中にはいるのかもしれないな、というものでした。
それでは少しネタバレしながらご紹介していきます。
得られること
・普通に生きること
・普通とは何か
おすすめな人
・普通に悩んでいる人
・ちょっと変わった人間ドラマが好きな人
・芥川賞を初めて読む人
あらすじと感想(少しネタバレ)
あらすじ
コンビニ店員として生まれる前の子供の頃、自分の考えが周りと違うことに気付いた古倉恵子。
そのことに気付いてからは、余計な事を口にはせず、自分から行動をしないことを徹底して、生きていくことにしました。
そうやって生きていくことで、普通の生き方ができていた恵子ですが、大学生の時に始めたコンビニのアルバイトで、自分が世界の一部に生まれたと感じることができたのです。
そして、世界の一部に生まれてから18年が経っても変わらずアルバイトをしている恵子。
そんなコンビニに、婚活目的のアルバイト男性である白羽さんがやってきます。
そこから、コンビニのマニュアルの中で普通に生きてきた恵子の周りは騒がしくなっていきます。
白羽さんに振り回されているようで、実は恵子が主導権を握っている展開の中で、恵子は普通に生きることを目指します。
ですが、恵子は自分はコンビニから生まれたという考えのもと、やはり自分はコンビニ人間であることに誇りを持って生きていきます。
感想
あれ?面白かった。
というのが読み終わったときの感想です。
これまでの芥川賞作品のイメージは簡単に言うと暗く、重いといった内容でした。
『コンビニ人間』は重くない、という訳ではないですが、重さ以上にシチュエーションの面白さであったり、人の心理描写の描き方が繊細で、読み進めてしまいます。
特に白羽さんが登場してからの話の展開が異質過ぎて、明らかにおかしいのに笑えてしまう場面等もありました。
特筆すべきは、恵子の考えは不変的であり、コンビニに対するプロ意識は凄まじいものがあります。
コンビニの店長をしていたら、こんなに助かるアルバイトは中々いないです。
そのマニュアルの徹底ぶりは頭が下がるくらいですね。
まとめ
僕が『コンビニ人間』を読んで感じたのは、コンビニという身近なテーマでありながら、人としての尊厳とは何かを追求したテーマだなということです。
世の中には本当に多種多様な考えを持った人がいます。
人とは違った考え方をする恵子、白羽さんの周りには、それを改善してほしい人や責める人が登場しますが、それが本当に正しいことなのか考えさせられる場面も出てきます。
ページ数は160ページ程度なので、さらっと読むことができます。
『コンビニ人間』
芥川賞作品を初めて読まれる人におすすめです。
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