タイトルがインパクト大ですね!早速、評価からいきましょう・・・
の前に、今回から以下のこともまとめてお伝えしていきます
・本を読んで得られること
・本を読むのにおすすめする人
・本を読むのにおすすめしない人
では改めて評価から。
評価:5/5(☆☆☆☆☆)
データや取材をもとにして日本の現状がまとめられていて分かり易いです。
そして、「安い」ということがどういうことかが、世界との比較で述べられていて読んでいて面白いです。
この本から得られること
・将来的に「安い」ことは弊害であることが分かる
・なぜ日本の賃金が上がらないかが分かる
・世界の中での日本経済についての現状が分かる
おすすめする人
・過去の知識をアップデートしたい人(日本が最高と思っている人)
・世界から日本が価格面でどうみられているか知りたい人
・将来の日本に漠然と不安を感じる人
おすすめしない人
・ずっと停滞した日本でも幸せと思い続けられる人
・経済のことはどうでもいいと思っている人
この本を読んで改めて感じたのが、最近日本の悪い情報ばかり見ているせいか、大丈夫か日本????という感じになります。
・少子高齢化
・人口減少
・経済の停滞
・DXがまだまだ
・コロナ
etc
ただ、知識はやみくもに不安になったり暗くなるために身に着けるのではなく、将来の課題を知って解決や対策をするために身に着けるので、まずは知れたことに感謝して、事実を見つめていくことが大事ですね。
”安い”ということが良いと感じられる日本。
確かに物の価格が安いということは、生活にとっては助かりますし、その場だけ見るととてもありがたいです。
ただ、長期的に見た場合にそれには弊害が伴います。
日本は30年間実質賃金はほぼ下がり続けているのが現状です。
加えていうと、ほとんど日本は物価が上昇しておらず、かつ実質賃金が下がり続けているということは、給与自体も下がっているということになります。
ただし、給与を引き下げている要因のひとつは非正規社員の増加によるもので、要は格差が開いているということです。
とはいえ、それを差し引いても物価が上昇していない、かつ賃金が上がっていないというのは世界的に見ると先進国では日本くらいしかいません👇
こちらのチャートは全労連が作成したもので、条件を見ると若干意図的な部分は感じますが、それでもインパクトは大きいです。
1997年を100とした時に実質賃金がどう上下しているか、という中で日本だけが右肩下がり。
諸外国は100以上ということは、物価が上がっていますが、それに伴ってそれ以上に賃金は増えていることを表しています。
世界から見ると日本は物価が上がっていないので、自国との比較でどんどんお得になっていて、物を買いやすくなっているということです。
まさに安いニッポンですね。
そして、逆も言えます。
世界の物価は上がっているのに、日本の賃金が増えていないので、日本が世界で物を買うと高いと感じるようになってきています。
そこで世界の価格の指標でよく言われるのがビックマック指数です。
1位のベネズエラはハイパーインフレが起きているので別ですが、日本は31位と中国とほとんど変わらないのです。
世界がインフレ中心なのにデフレが続いている日本は、世界の中で競争力を失いつつあり、そのうち海外の企業が日本を生産拠点にして(安いから)しまうなんてことも起こりえそうです。
日本では、コロナの影響や日本人の心理的なハードルの影響もあり今後もインフレになってそれが続くことはなかなか難しそうな状況であり、賃金や退職金(1997年と比較して1,000万も減少)も低下していくなかで、将来への備えは必須な時代だと思います。
他にもたくさんの取材に基づいたデータや価格が載っていて、読んでいても面白いので是非読んでみてください。
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